【2025年8月16日】北陸地方や九州地方を襲った記録的な大雨の影響で、各地の鉄道に被害が出ています。2025年8月16日現在で不通になっている区間は、以下の通りです。ご利用予定の方は、各事業者の最新の運行情報をご確認ください。
■2025年8月16日現在の不通区間(2025年8月の豪雨災害による不通区間)
- 【のと鉄道】能登中島~穴水
- 【肥薩おれんじ鉄道】八代~肥後田浦
- 【JR九州】日豊本線(西都城~鹿児島)
- 【JR九州】肥薩線(吉松~隼人)
不通区間の多くは、各事業者が復旧工事を始めています。ただ、肥薩線の吉松~隼人は復旧の目処は立っていないとJR九州が伝えています。なお、土砂崩れで運休していた鹿児島本線の荒尾~玉名は、8月14日の始発より運行を再開しています。
【解説】2025年8月豪雨の被災区間の復旧状況
2025年8月16日現在で確認されている被害状況と、復旧の見通しについてまとめます。
のと鉄道
のと鉄道によると、8月12日に能登鹿島駅から約1kmの地点で線路脇の法面崩落を確認。これにより、能登中島~穴水は8月13日から当面のあいだ運休となります。同区間では、代行バスを運行します。
8月16日現在で運転再開の見込みは立っていませんが、のと鉄道は工事完了後、速やかに再開させるとしています。また、車両のやりくりなどの影響で、七尾~能登中島はしばらく臨時ダイヤで運行します。
肥薩おれんじ鉄道
肥薩おれんじ鉄道によると、8月11日に土砂流入や土砂流出が複数箇所で発生。肥後高田駅では、駅構内でも土砂流入が確認されています。
8月13日には肥後田浦~川内で運行を再開しますが、八代~肥後田浦は運休中。復旧には1カ月以上を要すると、肥薩おれんじ鉄道は伝えています。代行バスの運行は、熊本県と協議したうえで決めるそうです。
なお、肥薩おれんじ鉄道では運転士不足により、2025年2月より一部列車の運転を取りやめています。
JR九州(日豊本線と肥薩線)
JR九州によると、8月7~9日の大雨により日豊本線と肥薩線の一部区間で土砂流入や築堤崩壊などの被害が発生。日豊本線の西都城~鹿児島と、肥薩線の吉松~隼人で運休しています。
JR九州が8月15日に発表した情報によると、日豊本線では段階的に復旧するようです。国分~鹿児島は8月21日、西都城~霧島神宮は8月26日の運行再開をめざすとしています。残る霧島神宮~国分は、大規模な築堤崩壊が2箇所確認されており、復旧は9月下旬になる見通し。同区間では8月26日より、代行バスを運行する予定です。
また、肥薩線では表木山~日当山で長さ約50mにわたる築堤崩壊が発生。吉松~隼人は当面のあいだ運休となり、9月1日より代行バスを運行します。JR九州は「列車の運行再開までには時間を要します」と伝えており、復旧の見込みは立っていません。
肥薩線では、2020年7月の豪雨災害でも八代~吉松が不通になりました。このうち八代~人吉は、沿線自治体とJR九州が復旧に合意していますが、人吉~吉松については協議が始まっていません。
2025年8月の豪雨で被災した箇所は、被害が比較的に軽微なため復旧されると思いますが、吉松~隼人も利用者の減少に歯止めがかからない線区です。可能性は極めて低いものの、人吉~吉松とあわせて復旧協議をすることも考えられます。