【JR東日本】大湊線を存続させるには?JR東日本との緊密な連携がカギ

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大湊線の駅 JR
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大湊線は、青森県の野辺地から大湊まで、下北半島の陸奥湾沿いを走るJR東日本のローカル線です。「はまなすベイライン大湊線」という愛称が付けられ、観光スポットの多い路線である一方、一部の列車は青い森鉄道に乗り入れて八戸まで直通することから、八戸方面への通学通勤需要も一定数あるとみられます。

ただ、利用者数は減少の一途をたどり続けており、危機感を抱いた沿線自治体は2022年に「JR大湊線活性化協議会」を設置。これから協議が本格化していきそうです。

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JR大湊線の線区データ

協議対象の区間大湊線 野辺地~大湊(58.4km)
輸送密度(1987年→2019年)965→533
増減率-45%
赤字額(2019年)12億6,600万円
営業係数912
※輸送密度および増減率は、JRが発足した1987年と、コロナ禍前の2019年を比較しています。
※赤字額と営業係数は、コロナ禍前の2019年のデータを使用しています。

協議会参加団体

むつ市、横浜町、野辺地町、大間町、東通村、風間浦村、佐井村、東北町、七戸町、六ヶ所村、青森県、JR東日本、東北運輸局

大湊線と沿線自治体

JR大湊線活性化協議会が設置されるまでの経緯

2022年7月25日、国土交通省の検討会がローカル鉄道の「あり方」に関する提言を公表します。その3日後の28日には、JR東日本が利用者の少ない線区の収支を初公表。大湊線は、年間12億円以上の赤字路線であることが伝えられます。

こうした状況を受け、沿線自治体は「JR大湊線活性化協議会」を設置。むつ市、横浜町、野辺地町の沿線自治体を中心に周辺市町村とも連携し、大湊線の利用促進や地域活性化などを検討していくことになりました。

なお、大湊線はかつてJR東日本の東北本線と接続していました。しかし、2010年に東北新幹線が新青森まで延伸開業した際、接続する野辺地駅を含む東北本線の一部区間が青い森鉄道に移管。大湊線は、JR東日本で唯一の「飛び地路線」になっていることも、沿線自治体が廃止の危機感を抱く理由として考えられます。

ワーキングチームを設け大湊線の利用実態の把握へ

JR大湊線活性化協議会の初会合は、2022年12月22日に開催されます。構成メンバーは、沿線の周辺地域を含めた10市町村。オブザーバーとして、青森県や東北運輸局、そしてJR東日本も参加しています。

初会合では、大湊線の利用状況や課題を共有しながら、地域活性化に向けた方策を検討することが確認。また、JR東日本や国(東北運輸局)とも連携して、大湊線の存続をめざすことで全会一致します。

さらに、利用状況や課題を具体的に検討する機関として、ワーキンググループの設置も確認されます。ワーキンググループでは、大湊線の課題を調査研究するほか、利用促進策や地域活性化の具体案なども検討。その報告をもとに、協議会で各種取り組みを決める流れです。

このように、協議会の下に事務レベルで検討する場を設けるのは、近年の赤字ローカル線をめぐる協議会においてスタンダードなやり方です。ワーキンググループが具体案を検討したうえで、その内容を協議会で話し合うほうが協議をスムーズに進められます。

なお、2023年9月の総会では、沿線住民に対するアンケート調査の実施が提言されています。ほかにも、2024年度には利用客への調査もおこない、大湊線の課題抽出や利用促進策の検討などを進めていく予定です。

JR東日本と緊密な関係性を築けるかがポイント

JR大湊線活性化協議会は、年に1~2回実施するとしています。ただ、もう少し頻度を増やしてもよいかと思われます。協議会は意思決定の場ですから、スピード感をもって対応することも大切です。また、オブザーバーとして参加するJR東日本内の動きを、意思決定者(自治体の首長)が逐一キャッチできるというメリットもあります。自治体とJR東日本がどれだけ緊密に連携できるかが、大湊線の存続のポイントといえるでしょう。

ワーキングチームに関しても、公共交通に詳しい専門家の招集を検討したいところです。現状では、その役割を県や国の担当者が担うかたちですが、大学教授などの専門家がいると新たな発見やユニークなアイデアも出てきやすくなります。

協議会は始まったばかりですから、今後取り組みを進めるなかで必要に応じて専門家の意見を聞きながら、大湊線の活性化につなげてもらいたいところです。

参考URL

平均通過人員2,000人/日未満の線区ごとの収支データ(JR東日本)
https://www.jreast.co.jp/company/corporate/balanceofpayments/pdf/2019.pdf

JR大湊線活性化協議会(むつ市)
https://www.city.mutsu.lg.jp/kurashi/koutsu/kyougikai/ominatosen.html