長期運休中の鉄道路線一覧 – 不通になった理由と復旧見込み

長期不通路線のイメージ コラム

災害などにより、長期不通となっている鉄道路線を一覧にまとめました。おおむね1カ月以上の運休または運休が見込まれる線区を掲載しています(2026年9月10日現在)。

路線名不通区間備考
JR津軽線蟹田~三厩2027年4月1日に廃止予定
JR北上線ほっとゆだ~横手
JR陸羽東線鳴子温泉~新庄2028年度中に復旧完了予定
JR米坂線今泉~坂町沿線自治体と協議中
小湊鉄道里見~上総中野2026年9月中旬以降に一部列車の運転再開見込
いすみ鉄道大原~大多喜2027年秋頃に運転再開見込
いすみ鉄道大多喜~上総中野沿線自治体と協議中
黒部峡谷鉄道猫又~欅平2026年10月1日に運転再開見込
JR越美北線美山~九頭竜湖
大井川鉄道川根温泉笹間渡~千頭2029年春に運転再開見込
JR美祢線厚狭~長門市廃止予定(BRT転換)
JR九州新幹線熊本~新水俣2026年9月18日に運転再開見込
JR鹿児島本線宇土~八代2026年10月中旬に運転再開見込
肥薩おれんじ鉄道八代~水俣2026年10月中旬に運転再開見込
JR肥薩線八代~人吉2033年に運転再開見込
JR肥薩線人吉~吉松
くま川鉄道人吉温泉~肥後西村2026年9月20日に運転再開見込

長期不通区間の詳細情報

JR津軽線(蟹田~三厩)

2022年8月の豪雨で被災。盛土流出や土砂流入など13カ所が被害を受け、復旧工事費は最低でも6億円とされました。JR東日本と沿線自治体との協議の結果、バスや乗合タクシー(わんタク)を活用した新たな自動車交通へ転換することで合意。蟹田~三厩は廃止が決まりました。

※津軽線(蟹田~三厩)が廃止に至った経緯は、以下の記事で詳しく解説しています。

【JR東日本】津軽線(蟹田~三厩)の廃止を沿線自治体が容認した理由
災害で不通となっているJR津軽線の蟹田~三厩の復旧・廃止をめぐる、沿線自治体とJR東日本との協議の流れをまとめています。

JR北上線(ほっとゆだ~横手)

2026年8月の豪雨で、盛土流出や土砂流入など被害箇所は20カ所以上。運転再開の見通しは立っていません。JR東日本は、復旧には「相当の期間を要する見込み」と伝えています。

JR東日本「運行情報・運休情報東北エリア」

JR陸羽東線(鳴子温泉~新庄)

2024年7月の豪雨で被災。盛土流出や土砂流入など、19カ所が被害を受けました。被災箇所では、森林管理者など地権者との協議も必要であったことから、工事着手に時間を要した模様です。

JR東日本は、2025年9月より本格的な復旧工事を開始。2028年度中の復旧完了を見込んでいます。

JR東日本「陸羽東線 鳴子温泉~新庄駅間 復旧工事の進捗について」

JR米坂線(今泉~坂町)

2022年8月の豪雨で被災。小白川に架かる橋梁が流出するなど被災箇所は112カ所、復旧工事費は約86億円とされました。JR東日本と沿線自治体との復旧協議は2023年9月から始まっていますが、結論は出ていません。

※米坂線復旧検討会議の流れは、以下の記事で詳しく解説しています。

【JR東日本】米坂線は復旧か?廃止か?JR東日本との協議を振り返る
米坂線(今泉~坂町)の復旧協議が2023年9月に始まりました。存続・廃止の前提を置かないとするJR東日本との協議の流れを振り返ります。

小湊鉄道(月崎~上総中野)

2026年8月の豪雨で被災。同月に鉄道・運輸機構の「鉄道災害調査隊」が派遣され、被害状況が調査されています。

復旧工事は進んでおり、9月中旬以降に「平日の朝・夕」と「休日の終日」で全線運転を再開。10月以降は、終日列車を運行する予定です。

小湊鉄道「運行状況」

いすみ鉄道

2024年10月に発生した脱線事故の影響により、全線で運転を見合わせています。このうち利用者の多い大原~大多喜では、枕木交換などの復旧作業を進めており、2027年秋頃の運転再開をめざしています。

残る大多喜~上総中野は、「復旧工事費が最大10億円」「全線の維持管理費などが今後10年で約50億円」とされ、沿線自治体などと協議中です。

※いすみ鉄道の検討会議の流れは、以下の記事で詳しく解説しています。

【いすみ鉄道】廃止も検討された鉄道が復活できた理由
いすみ鉄道は利用者の減少に歯止めがかからず、廃止も検討されていました。鉄道存続に向けて、沿線自治体の取り組みを中心に紹介します。

黒部峡谷鉄道(猫又~欅平)

2024年1月の能登半島地震で、鐘釣橋付近で落石が発生するなどの被害を受け、一部区間が不通になっています。黒部峡谷鉄道は2025年9月30日の記者会見で、「復旧工事は順調に進んでいる」と報告。全線運転再開は、2026年10月1日の予定です。

黒部峡谷鉄道「黒部峡谷鉄道の全線運行再開 ならびに「鐘釣橋」等の復旧工事進捗状況等について」

JR越美北線(美山~九頭竜湖)

2026年8月の豪雨で被災。福井~美山は同年9月7日に運転再開しますが、美山~九頭竜湖は「運転再開には1カ月程度かかる見込み」と、JR西日本は伝えています。なお、美山~越前大野では9月7日より代行バスを運行していますが、越前大野~九頭竜湖の代行バスは設定されていません。

JR西日本「北陸エリア運行情報」

大井川鉄道(川根温泉笹間渡~千頭)

2022年9月の台風で被災。土砂崩れや路盤流出など、大井川本線の被災箇所は33カ所、復旧工事費は約21億円と見積もられました。この費用をめぐり、沿線自治体と協議。大井川鉄道の負担分を自治体が補助または貸付することで合意し、復旧が決定します。運転再開の時期は、2029年の予定です。

※大井川鉄道の復旧協議の流れは、以下の記事で詳しく解説しています。

【大井川鉄道】廃止検討から復旧へ!存続を決めた自治体の事情
災害で一部線区が長期不通だった大井川鉄道が、全線復旧することになりました。全線存続に至る経緯を、静岡県の検討会の流れから解説します。

JR美祢線

2023年7月の豪雨で被災。第6厚狭川橋梁が崩落するなど、80カ所で被害を受けました。
JR西日本と沿線自治体との協議の結果、BRTによる復旧で合意。美祢線の廃止が決まります。BRTの運転開始時期は未定です。

※美祢線の復旧協議の流れは、以下の記事で詳しく解説しています。

【JR西日本】美祢線のBRT復旧を自治体が認めた理由 – 鉄道廃止に至った経緯
JR美祢線は、BRTでの復旧が事実上確定しました。鉄道の廃止に至った経緯を、沿線自治体とJR西日本との復旧協議から振り返ります。

JR九州新幹線(熊本~新水俣)

2026年7月の熊本地震で被災。高架橋の損傷やレールの破断・ゆがみなど、約1,000カ所で被害が確認されています。復旧工事は進んでおり、同年9月18日に運転を再開する見込みです。

JR九州「令和8年熊本地震に伴う運行再開見通しおよび各種お知らせ」

JR鹿児島本線(宇土~八代)

2026年7月の熊本地震で被災。電柱や架線金具の損傷、ホームの一部破損、レールのゆがみなど400カ所以上で被害が確認されています。復旧工事は進んでおり、同年10月中旬に運転を再開する見込みです。

JR九州「令和8年熊本地震に伴う運行再開見通しおよび各種お知らせ」

肥薩おれんじ鉄道(八代~水俣)

2026年7月の熊本地震で被災。電線断線やホーム一部破損、レールのゆがみなど96カ所で被害が確認されています。復旧工事は進んでおり、同年10月中旬に全線で運転を再開する見込みです。

肥薩おれんじ鉄道「令和8年熊本地震の影響による運行状況と運行再開の見通しについて」

JR肥薩線(八代~吉松)

2020年7月の豪雨で被災。2つの橋梁が流出するなど被害箇所は448カ所、復旧工事費は約235億円とされました。

不通区間のうち八代~人吉は、熊本県とJR九州の協議で復旧に合意。2033年ごろの運転再開をめざしています。残る人吉~吉松は、担当者レベルの協議が始まっていますが、本格的な協議はこれからです。

※肥薩線(八代~人吉)の復旧協議の流れは、以下の記事で詳しく解説しています。

【JR九州】肥薩線(八代~人吉)が復旧合意できた理由 – 廃止を防いだ要因とは
長期不通だった肥薩線の八代~人吉について、熊本県とJR九州は復旧に向けて基本合意しました。廃止を防いだ理由を、両者の協議から探ります。

くま川鉄道(人吉温泉~肥後西村)

2020年7月の豪雨で被災。橋梁流出や全車両が浸水するなどの被害を受け、復旧費用は約50億円とされました。沿線自治体は同年8月27日に、くま川鉄道の全線復旧を決定。2026年9月20日に運転再開の見込みです。

※くま川鉄道の復旧協議の流れは、以下の記事で詳しく解説しています。

【くま川鉄道】復旧はいつ?利用者数が増加に転じた理由も解説
くま川鉄道の利用者数は減少をたどっていましたが、2015年ごろから増え続けています。災害復旧の経緯も含めくま川鉄道の今後を考えます。

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