長期運休中の鉄道路線一覧 – 不通になった理由と復旧見込み

長期不通路線のイメージ コラム

災害などにより、長期不通となっている鉄道路線を一覧にまとめました。おおむね1カ月以上の運休または運休が見込まれる線区を掲載しています(2026年10月10日現在)。

路線名不通区間備考
JR津軽線蟹田~三厩2027年4月1日に廃止予定
JR山田線上米内~川内2026年10月5日から12月4日まで運休
JR北上線ほっとゆだ~横手
JR陸羽東線鳴子温泉~新庄2028年度中に復旧完了予定
JR米坂線今泉~坂町沿線自治体と協議中
JR総武本線八街~成東復旧まで1か月程度かかる見込み
JR内房線姉ケ崎~長浦復旧まで少なくとも3か月程度かかる見込み
JR久留里線久留里~上総亀山運転再開の見込みは立っていません
小湊鉄道上総牛久~上総中野当分の間運休
いすみ鉄道大原~大多喜2027年秋頃に運転再開見込み
いすみ鉄道大多喜~上総中野沿線自治体と協議中
大井川鉄道川根温泉笹間渡~千頭2029年春に運転再開見込み
JR美祢線厚狭~長門市廃止予定(BRT転換)
肥薩おれんじ鉄道八代~水俣2026年10月13日に運転再開見込み
JR肥薩線八代~人吉2033年に運転再開見込み
JR肥薩線人吉~吉松

長期不通区間の詳細情報

JR津軽線(蟹田~三厩)

2022年8月の豪雨で被災。盛土流出や土砂流入など13カ所が被害を受け、復旧工事費は最低でも6億円とされました。JR東日本と沿線自治体との協議の結果、バスや乗合タクシー(わんタク)を活用した新たな自動車交通へ転換することで合意。蟹田~三厩は廃止が決まりました。

※津軽線(蟹田~三厩)が廃止に至った経緯は、以下の記事で詳しく解説しています。

【JR東日本】津軽線(蟹田~三厩)の廃止を沿線自治体が容認した理由
災害で不通となっているJR津軽線の蟹田~三厩の復旧・廃止をめぐる、沿線自治体とJR東日本との協議の流れをまとめています。

JR山田線(上米内~川内)

落ち葉による車輪の空転で列車が大幅に遅延するとして、山田線の上米内~川内は全列車が運休になります。運休期間は、2026年10月5日から12月4日までの約2カ月です。

山田線では岩手県北バスと共同経営をおこなっていますが、今回の運休にともなう「106特急・急行バス」の増便設定はありません。

※JR東日本「山田線の安定輸送確保に向けた秋期運転計画について」

JR北上線(ほっとゆだ~横手)

2026年8月の豪雨で、盛土流出や土砂流入など被害箇所は20カ所以上。運転再開の見通しは立っていません。JR東日本は、復旧には「相当の期間を要する見込み」と伝えています。

※JR東日本「運行情報・運休情報東北エリア」

JR陸羽東線(鳴子温泉~新庄)

2024年7月の豪雨で被災。盛土流出や土砂流入など、19カ所が被害を受けました。被災箇所では、森林管理者など地権者との協議も必要であったことから、工事着手に時間を要した模様です。

JR東日本は、2025年9月より本格的な復旧工事を開始。2028年度中の復旧完了を見込んでいます。

※JR東日本「陸羽東線 鳴子温泉~新庄駅間 復旧工事の進捗について」

JR米坂線(今泉~坂町)

2022年8月の豪雨で被災。小白川に架かる橋梁が流出するなど被災箇所は112カ所、復旧工事費は約86億円とされました。JR東日本と沿線自治体との復旧協議は2023年9月から始まっていますが、結論は出ていません。

※米坂線復旧検討会議の流れは、以下の記事で詳しく解説しています。

【JR東日本】米坂線は復旧か?廃止か?JR東日本との協議を振り返る
米坂線(今泉~坂町)の復旧協議が2023年9月に始まりました。存続・廃止の前提を置かないとするJR東日本との協議の流れを振り返ります。

総武本線(八街~成東)

2026年9月の台風により、線路の道床が約40m流出するなど複数箇所が被災。復旧までに1か月程度かかる見込みです。

※JR東日本「運行情報・運休情報関東エリア」
https://traininfo.jreast.co.jp/train_info/kanto.aspx

内房線(姉ケ崎~長浦)

2026年9月の台風により、姉ケ崎~長浦で倒木や土砂流入、架線設備が押し倒されるなど、複数箇所が被災。復旧には少なくとも3か月程度かかるとしています。

なお、長浦駅で整備していた折返し設備の完了にともない、10月5日より長浦~木更津は運転を再開します。

※JR東日本「運行情報・運休情報関東エリア」
https://traininfo.jreast.co.jp/train_info/kanto.aspx

久留里線(久留里~上総亀山)

2026年9月の台風により、土砂流入など複数箇所で被害を確認。木更津~久留里は10月3日に復旧する見込みですが、久留里~上総亀山は運転再開の目途が立っていません。

久留里~上総亀山は、2027年3月末の廃止が決まっています。復旧されるのか気になるところですが、JR東日本は9月25日の記者会見で「現時点では復旧するつもり」と伝えています。

※久留里線(久留里~上総亀山)が廃止に至った経緯は、以下の記事で詳しく解説しています。

【JR東日本】久留里線の一部廃止が決まった経緯 – 自治体容認がなかった協議
久留里線の久留里~上総亀山の廃止が決まる経緯を、沿線自治体とJR東日本の協議から振り返ります。君津市がいつ容認したのかも検証します。

小湊鉄道(上総牛久~上総中野)

2026年9月の台風の影響で、路盤や盛土の流出、土砂流入など26カ所が被災。上総牛久~上総中野が、長期運休になっています。

同年8月の豪雨災害でも被災した小湊鉄道。9月の台風はそれを上回る規模で、全線復旧には半年から1年以上かかるとされています。災害が重なったことで、小湊鉄道は沿線自治体などに支援を求める協議の申し入れを検討しているそうです。

※小湊鉄道の運行情報(公式サイト)へ
https://www.kominato.co.jp/

いすみ鉄道

2024年10月に発生した脱線事故の影響により、全線で運転を見合わせています。このうち利用者の多い大原~大多喜では、枕木交換などの復旧作業を進めており、2027年秋頃の運転再開をめざしています。

残る大多喜~上総中野は、「復旧工事費が最大10億円」「全線の維持管理費などが今後10年で約50億円」とされ、沿線自治体などと協議中です。

※いすみ鉄道の検討会議の流れは、以下の記事で詳しく解説しています。

【いすみ鉄道】廃止も検討された鉄道が復活できた理由
いすみ鉄道は利用者の減少に歯止めがかからず、廃止も検討されていました。鉄道存続に向けて、沿線自治体の取り組みを中心に紹介します。

大井川鉄道(川根温泉笹間渡~千頭)

2022年9月の台風で被災。土砂崩れや路盤流出など、大井川本線の被災箇所は33カ所、復旧工事費は約21億円と見積もられました。この費用をめぐり、沿線自治体と協議。大井川鉄道の負担分を自治体が補助または貸付することで合意し、復旧が決定します。運転再開の時期は、2029年の予定です。

※大井川鉄道の復旧協議の流れは、以下の記事で詳しく解説しています。

【大井川鉄道】廃止検討から復旧へ!存続を決めた自治体の事情
災害で一部線区が長期不通だった大井川鉄道が、全線復旧することになりました。全線存続に至る経緯を、静岡県の検討会の流れから解説します。

JR美祢線

2023年7月の豪雨で被災。第6厚狭川橋梁が崩落するなど、80カ所で被害を受けました。
JR西日本と沿線自治体との協議の結果、BRTによる復旧で合意。美祢線の廃止が決まります。BRTの運転開始時期は未定です。

※美祢線の復旧協議の流れは、以下の記事で詳しく解説しています。

【JR西日本】美祢線のBRT復旧を自治体が認めた理由 – 鉄道廃止に至った経緯
JR美祢線は、BRTでの復旧が事実上確定しました。鉄道の廃止に至った経緯を、沿線自治体とJR西日本との復旧協議から振り返ります。

肥薩おれんじ鉄道(八代~水俣)

2026年7月の熊本地震で被災。電線断線やホーム一部破損、レールのゆがみなど96カ所で被害が確認されています。復旧工事は進んでおり、同年10月13日に全線で運転を再開する見込みです。

※肥薩おれんじ鉄道「令和8年熊本地震の影響による運行状況と運行再開の見通しについて」

JR肥薩線(八代~吉松)

2020年7月の豪雨で被災。2つの橋梁が流出するなど被害箇所は448カ所、復旧工事費は約235億円とされました。

不通区間のうち八代~人吉は、熊本県とJR九州の協議で復旧に合意。2033年ごろの運転再開をめざしています。残る人吉~吉松は、担当者レベルの協議が始まっていますが、本格的な協議はこれからです。

※肥薩線(八代~人吉)の復旧協議の流れは、以下の記事で詳しく解説しています。

【JR九州】肥薩線(八代~人吉)が復旧合意できた理由 – 廃止を防いだ要因とは
長期不通だった肥薩線の八代~人吉について、熊本県とJR九州は復旧に向けて基本合意しました。廃止を防いだ理由を、両者の協議から探ります。

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